無情な大河を下りながらー
もはや船引きの導きを感じなくなった
アルチュール・ランボー
自分こそ偉大だと思う男を墓場に送れ――。スペインに降り立ったコードネーム〝孤独な男〟に与えられた任務はその言葉のみ。〝必ずエスプレッソを2つ注文し、携帯も銃も仕事中のセックスもなし〟それ以外、全ては謎に包まれたまま、名もなき〝孤独な男〟はただ任務の遂行を目指す。スペイン中を巡り、さすらう彼の前に現れるのは、「スペイン語は話さないのか?」という問いを合言葉にする同じくコードネームを持った名もなき仲間たち。彼らはそれぞれの情報をマッチ箱の中の暗号に託す。「裏切り者がいる」と告げる仲間、しかしその言葉とは裏腹に「自分も仲間ではない」と男は呟いた。ありのままの現実と、夢の中を彷徨うかのような非現実が交錯する世界の末、荒野の中にあるアジトへたどり着く。想像力が支配の限界を超えた時、その先にあるものは一体何なのか?